産業保健師に興味はあるけど…身近な知り合いにいなくて、実際にどんなことをしているのか分からない!
産業保健師って、そもそも人数が少ないので、情報があまりないですよね。普段、私がしているお仕事内容を紹介します♪
産業保健師は全ての企業にいる訳ではありません…。その理由はの一番は「法律で定められていないから」!
労働安全衛生法施行令 第5条では、「産業医の選任義務が発生するのは、常時50人以上の労働者を使用する事業場」と定められているので、該当する企業では、産業医の選定が必要です(非常勤でもOK)。
しかし、産業保健師はこのような法律がないため、配置のない企業では「衛生担当者」がその役割を兼任している事が多く、「健康経営」や「保健衛生」に力を入れている企業や、産業保健師を雇うだけの余力がある企業で配置されるイメージです。
つまり、一定数以上の従業員のいる大企業あるいは中企業に産業保健師が雇われている場合が多いと言えますね。
そんな情報の少ない産業保健師、実際にどんな仕事をしているのか気になりませんか?
この記事を読めば、産業保健師のお仕事がまるっと分かります!
産業保健師は、労働者の健康管理や職場環境の安全確保を担当する専門家です。その役割は、労働者の健康を維持し、職場環境に関する問題を予防・解決することにあります。
健康監視(健診フォローアップ)
メイン業務といっても過言ではありません。
従業員の定期健康診断、特殊健診等を実施し、その結果に基づいて必要なフォローアップや健康指導を行います。
さらに、従業員の健診結果を分析することで職場の健康リスクを評価します。
私の所では健診バスを呼んで、企業の敷地内で健診を実施しています。
受診勧奨や健康指導は面談時に行いますが、なかなか会えない人へはお手紙で対応します。
職場環境の改善
職場の環境を評価し、有害な物質や条件が労働者の健康に与える影響を評価し、改善策を提案します。
ストレスチェックの結果や健康診断結果を分析して、職場環境の改善がないか安全衛生委員会などで議論します。
聴力異常の人が続出した時は、騒音計で職場環境の確認を行いました!
騒音測定は、厚生労働省のガイドラインに沿った作業を行う事業所では測定を行いますが、それ以外は法律で定められていません。
現場の意見や健康診断結果等のデータから必要と感じた時に、実施しています。
職場の労働衛生基準も時々変更されるので、自分の職場は大丈夫か?と常にアンテナを張る必要がありますね。
メンタルヘルスケア
ストレスチェックを実施し、メンタルヘルスに関する相談やカウンセリングを行います。必要に応じて、専門機関と連携することもあります。
2015年12月1日からストレスチェック制度が施行になりました。
従業員を常時50人以上雇用する事業所では、ストレスチェックの結果を国へ報告する義務が発生します。
受検方法が紙からwebに変わった時は、スマホやパソコンが苦手な人からの問い合わせが多くて大変でした…💦
労働衛生管理(法令遵守)
労働安全衛生法などの法令に基づいて、職場の安全性や労働者の健康管理に関する規制を遵守し、適切な対応を行います。
法律が改正されても、事業所に国から連絡が入る訳ではありません。自分でその都度、法律をチェックして漏れがないか確認するようにしています。
私が入職する前、定期健康診断結果の報告がずっとできておらず…労働基準監督署から催促の連絡が入ったことがあるようです!知らないって怖い!
健康教育と啓発活動
健康に関する講習会やセミナーを開催、またはポスターや資料作成を行い、従業員に対する健康意識の向上を図ります。
時には、健康保険組合と協力して行うこともあり、「予防医療」という観点から看護師経験を活かせるところでもあります。
私は資料作成が作業に没頭できるので割と好きです!看護師の豆知識を資料に加えたりしています♪
まとめ
産業保健師は企業や労働組合、政府機関などさまざまな組織で活動していますが、組織の違いはあれどみんな「労働者の健康と安全を保護する」ことを目標としています。
看護師とは違い、予防医療や未病、0次予防・1次予防の分野になるので意外と地味な作業も多く、向かない人にとっては「やりがいがない…」と感じることもあると思います。
仕事のやりがいは、「給料」「福利厚生」「お礼の言葉」「笑顔」など、人それぞれ違います。
この記事を読んで、産業保健師の仕事をより具体的にイメージしてくださいね。