
職場でのストレスは、私たちの健康と生産性に影響を与える重要な問題です。
しかし今の時代、ネットで「ストレス解消法」と検察すれば、いくつものアドバイスがすぐにヒットします。
その中でも現役の産業保健師がお勧めする、簡単にストレスを軽減し、より健康的で幸福な職場環境を作る5つの秘訣を紹介します。
マインドフルネスの実践
マインドフルネスとは…日常生活において意識的に現在の状況に注意を向けることです。これは、自分の感情や思考、身体感覚に注意を向け、その状態を受け入れることを意味します。

具体的には、まず座って、深呼吸を数回繰り返します。
そして、周りの音や自分の呼吸、身体の感覚に意識を向けます。例えば、座っている椅子の感触や、空気が顔や手に触れる感覚などに集中します。
また、自分の感情や思考にも注意を向けますが、それらを評価したり変えようとはしません。ただ、感じることを受け入れるのです。
例えば、不安やストレスを感じていても、それを否定せずにただ受け入れます。そうすることで、心が落ち着き、ストレスが和らぐことがあります。
マインドフルネスは瞑想として行うこともありますが、日常生活でも取り入れることができます。例えば、食事をするときに食べ物の味や食感に集中したり、歩くときに足の動きや風の感触を感じることができます。
マインドフルネスはストレスを軽減するだけでなく、心の安定や集中力の向上、感謝の気持ちを持つことなどにも役立ちます。
誰でも始めから上手にマインドフルネスを実践できる訳ではありません。しかし、少しずつでも練習することで、日常生活がより豊かに・自分を取り巻くものへの感覚がくっきり分かるようになってきます。
悩んでいたことに対しても「あぁ、こんなことで悩んでいたのか」と、一歩引いた目で見ることができ、あなた自身の世界をより広げてくれることでしょう。
優先順位の設定
タスクが多すぎてストレスを感じる場合、優先順位をつけて仕事に取り組むことが重要です。タスクを優先順位付けし、一度に1つのことに集中することで、ストレスを軽減し、仕事の効率を高めることができます。
✒️緊急度と重要度の判断: タスクの中で、緊急かつ重要なものを優先的に取り組む必要があります。緊急でないが重要なタスクも優先順位を高く設定することが重要です。
✒️目標や目的に沿った選択: タスクを優先する際には、自身や組織の目標や目的にどの程度関連しているかを考慮します。目標に直結するタスクに優先順位を与えることで、効果的な仕事の進め方ができます。
✒️時間やリソースの制約: タスクを優先する際には、その完了にかかる見積もり時間や必要なリソースを考慮します。時間的に余裕がない場合や、特定のリソースが限られている場合は、それに応じて優先順位をつけます。
✒️影響度の分析: タスクが完了した際の影響度やその後の流れを考えます。他のタスクやプロジェクトにどのような影響を与えるかを考慮し、その重要度に基づいて優先順位を決定します。
✒️自己管理の能力: 自身の能力やスキル、集中力に合わせて、タスクの優先順位を設定します。自分にとって難易度が高いタスクや集中力を必要とするタスクは、適切な時間帯に取り組むようにします。

フレンドリーな人間関係構築
職場でのポジティブな人間関係は、ストレスを軽減するのに役立ちます。同僚や上司との良好な関係を築くことで、お互いのサポートを受けることができ、ストレスを軽減し、職場の雰囲気を改善することができます。

むしろ、職場の人間関係がストレスの原因だーってことも少なくないですよね。
苦手な上司や同僚と良好な関係を築くために、以下の3つの方法が役立ちます。

✒️積極的なコミュニケーション: 適切なタイミングで対話をし、相手の立場や視点を理解するために聞き手に徹することが大切です。誤解や不満が解消され、信頼関係が築かれます。
✒️ポジティブな姿勢の維持: ネガティブな感情を抑え、良い面を見出そうとする姿勢を心がけましょう。相手に対して感謝の気持ちを示し、協力やサポートを提供することで、関係が改善されます。
✒️成果や共通の目標に焦点を合わせる: 同じ目標に向かって協力することで、関係を強化することができます。自分の能力や経験を活かし、共通の目標達成に向けて努力することで、信頼と尊重を得ることができます。
それでもダメなら、「業務上の付き合い」と割り切ってしまうのが1つの手です。その苦手な同僚や上司が、自分の人生を左右するだけの存在か…そんなことは決してありません。
あなたの捉え方1つで、相手への苦手意識が嘘のように消えてなくなるはずです。
運動習慣・隙間時間の運動
職場での運動はストレスを軽減するのに効果的です。短い休憩時間を利用してストレッチやウォーキングを行うことで、筋肉の緊張を緩和し、ストレスを解消することができます。
✒️効果的なストレッチの選択: 短い時間で効果的なストレッチを行うためには、大きな筋肉を効果的に伸ばすストレッチを選びます。デスクワークをしている場合は、首、肩、背中、腰、脚などの部位に焦点を当てたストレッチが効果的です。
✒️ウォーキングルートの検討: 短い休憩時間にウォーキングを行う場合は、行き先やルートを事前に計画しておくと効率的です。会社の周囲に歩道や公園があれば、そちらを利用して10~15分の気持ちの良いウォーキングをしてみましょう。
✒️リラックスしたペースで行う: 休憩時間に行うストレッチやウォーキングは、リフレッシュすることが目的です。無理な動きや速いペースで行うと、むしろ疲れを増やしてしまいます。心拍数が早くならないくらいの、ゆっくりとしたペースでリラックスした状態で行いましょう。
✒️深呼吸と意識的なリラックス: ストレッチやウォーキング中に深呼吸を意識して行うと、筋肉の緊張が緩み、リラックス効果が高まります。また、意識的に肩の力を抜いたり、リラックスした姿勢を保つことも重要です。


web会議の休憩時には、参加者に「今の時間に、肩回しや伸びをしておいてくださいね~」と声を掛けています。
ワークライフバランスの確保
仕事とプライベートのバランスを取ることは、ストレスを軽減し、心身の健康を維持するために重要です。仕事外の時間を充実させることや、趣味や興味を持つことで、仕事に対するストレスを軽減することができます。

✒️仕事外の関係を大切にする: 家族や友人との時間を大切にし、仕事だけでなくプライベートな人間関係も育んでいくことがワークライフバランスの一環です。家族や友人とのコミュニケーションを深め、支え合う関係を築きましょう。
✒️時間管理の改善: まずは仕事とプライベートの時間をしっかりと区別し、時間管理を改善することが重要です。仕事中には集中して効率よく仕事をこなし、定時には仕事を終えてプライベートな時間を確保しましょう。また、週末や休暇を有効活用してリフレッシュすることも大切です。
✒️趣味や余暇活動の充実: 仕事だけに時間を費やさず、趣味や興味を持つ活動にも時間を割くことが重要です。趣味や余暇活動はストレス解消につながり、心身のリフレッシュに役立ちます。定期的に趣味に没頭する時間を作りましょう。
仕事が大変な時でも、プライベートが充実していたり、週末の楽しみがあると頑張れたりしますよね。
働いている自分も、プライベートを楽しむ自分もどちらも大切にできると、人生が豊かになります。
これらの秘訣を実践することで、職場でのストレスを軽減し、より健康的で幸福な働き方を実現することができます。ストレスの原因や解消法についてさらに学び、自分に合った方法を見つけてみてください。